
脳出血を発症して麻痺やしびれといった後遺症が残ってしまうと、「改善は難しいのでは?」と思ったり、不安になってしまう人もいると思います。
しかし、脳出血後遺症は、早期にリハビリを開始することで改善を目指すことができます。
また、近年の最新治療では、以前よりも高い改善効果も期待できるようになっています。
今回は、脳出血後遺症の最新治療について紹介します。
脳出血後遺症の最新治療【IVES療法・HANDS療法とは?】
脳出血後遺症の最新治療に、IVES療法やHANDS療法があります。この治療では、後遺症によって思うようにできない動きを補助し、その動きを自力でできるようにしていきます。
IVES療法
特殊な低周波の電気刺激装置による治療で、麻痺した箇所を動かそうとしたとき、活動しようとしている筋肉に電気刺激を与えることで、筋肉の動きを補助し動かしやすくします。
HANDS療法
IVES療法をする際に、手関節装具を併用しておこなう治療方法です。手関節装具を装着することで、物をつまんだり離したりする動作がしやすくなります。
脳出血後遺症の最新治療ではロボットによるリハビリもある!
脳出血後遺症の最新治療として、ロボットを活用したリハビリがあります。
例えば、人が体を動かそうとするときに、その意思が脳から筋肉へと伝達されます。そのときに生じる生体電気信号を検知して動作支援をする歩行支援ロボットなどです。
ロボットによるリハビリは、高いリハビリ効果を期待できるだけでなく、リハビリをする患者と療法士の負担を軽減できるというメリットもあります。
ボツリヌス療法も脳出血後遺症の最新治療
脳出血の後遺症のひとつに、手足が「つっぱり」によって動かしにくい、勝手に動いてしまうなど「痙縮」という症状があります。
この痙縮の最新治療として、ボツリヌス療法があります。
ボツリヌス療法とは、筋肉の緊張を緩める作用があるボツリヌストキシンという成分を筋肉に注射する治療方法です。
ボツリヌストキシンはボツリヌス菌からつくり出されるたんぱく質ですが、ポツリヌス菌自体を注射するわけではないので菌に感染する心配はありません。
ボツリヌス療法は2~3日くらいで効果が現れてきて、その効果は4カ月くらい持続します。
その間にリハビリをおこなうことで、リハビリによる改善効果を高めることもできます。
まとめ
脳出血後遺症の最新治療について紹介しました。
医学はどんどん進歩しており、脳出血後遺症も最新治療によって以前よりも高い改善効果が期待できるようになりました。
さらに、現在では機能しなくなった細胞を復活させる再生医療も、最新治療のひとつとして注目を浴びています。
脳出血後遺症に悩まされている人は、再生医療についても、ぜひチェックしてみてください。
No.0008
監修:院長 坂本貞範