関節の痛みを再生医療で治すには

関節症に対する再生医療の期待される効果

再生医療では、患者様の脂肪組織から採取した脂肪由来幹細胞を培養で増やして関節腔内に投与します。脂肪由来幹細胞を投与することにより脂肪由来幹細胞が分泌する炎症抑制 物質により変形性関節症によって発生する炎症を抑制する効果が期待できます。また、損傷した軟骨を再生して関節間の摩擦や骨同士のぶつかりを改善し、それによって関節の円滑な動きや仏痛の緩和が可能となり、変形性関節症の症状の改善が期待できます。

自己脂肪由来幹細胞治療

幹細胞を利用した再生医療

自己脂肪から採取、培養した幹細胞を膝関節内に注射で注入することによって、炎症や痛みを抑えるのに働き、また、損傷した組織の修復や改善を促します。
 

PRP療法(多血小板血漿療法)

血液を利用した再生医療 血液中の血小板や成長因子の働きを利用して膝関節内に注射することによって、膝関節の 組織の修復や再生を促し痛みの軽減を期待します。

自己由来幹細胞治療の流れ

  1. 問診および術前採血
    医師が治療の特徴と期待される効果などを説明致します。 必要に応じて検査を受けていただきます。
  2. 脂肪採取および培養用の採血
    腹部から脂肪を採取します。術後、この傷はほとんど目立たず、痛みもほぼありません。 採取自体は数分で終了します。また、同日に培養の行程に必要な血液を採取します。
  3. 培養
    組織採取後すぐに、CPC内にて細胞培養を開始し、治療に必要な数まで増やします。
    全行程はCPC内にて行われ約4-6週間の期間を要します(個人差があります)
    ※患者様によって若干前後しますのでこの時点では投与日は確定できません。
    ※培養過程で異常が認められた場合は培養を中止することがあります。
  4. ご連絡
    細胞培養開始約2週間後のある段階で残りの培養に必要な期間が確定します。ここで投与日(治療日)をご相談の上、確定させていただきます。細胞投与を最適な条件で行うために、一度確定された投与日(治療日)は原則として途中変更できません。
  5. 投与(治療)
    確定させていただいた日時に治療を行います。場合によっては麻酔を行った後に注射を行います。
  6. 術後
    静脈投与の場合、術後まれに腫れることがありますが、ほとんどの場合程度は大きくありません。念のために消炎鎮痛剤を少量お渡しします。
    ※若干の内出血を来すことがありますので、当日の長風呂や過激な運動はお控えください。
  7. 投与後の治療スケジュール
    一度の治療で効果を実感されている方が多いですが、さらに効果を望まれる場合は複数回注射することをお勧めします。

再生医療の期待される効果

効果①自己の細胞による再生

幹細胞は臓器や皮膚、骨や筋肉にもなり得る細胞です。この性質を利用し、自身の幹細胞を培養して投与することで身体がダメージを受けている部分を再生できる可能性があります。自身の血液や脂肪を利用するため、アレルギーや拒絶反応といった副作用の心配はありません。

効果②高い安全性

再生医療はその計画を厚生労働大臣に提出し許可を受けた施設でしか治療は行えません。

効果③身体の負担が少ない

ごく少量の脂肪をとるだけなので脂肪の少ない方や、高齢の方でも治療ができます。

再生医療とは?